FXhome(HitFilm)はどのプランを選ぶべき?違いは何?【Free vs Creator vs Pro】
この記事は、次のように思っている方におすすめです。
- HitFilm で動画編集をするなら、どのプランを選ぶべき?
- 有料版(Creator、Pro)は本当に買う価値あるの?
- Imerge(画像編集ソフト)って必要?
この記事では、「HitFilm Pro」を使用している僕が、プラン内容の違いをユーザー目線でお伝えしていきます。
最後まで読んでいただくことで、どのプランがあなたにピッタリなのかがわかると内容となっています。
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はじめに知っておきたいこと
まずはじめに、記事の内容を正しく理解するために以下のことを覚えておきましょう。(既に知っているかもしれませんが、念のために)
- HitFilm・・・FXhome(ブランド名)による「動画編集&VFXソフト」 、FXhome にとってのメイン製品
- Imerge・・・FXhome による「画像編集ソフト」
- Artlist・・・FXhome を所有している親会社、ストック音楽・効果音を提供している
- VFX・・・ビジュアルエフェクツ(視覚効果)、現実世界では見ることのできない画面効果を実現するための技術
- ウォーターマーク(電子透かし)・・・著作権保護などのために画像や動画に写し込まれる文字や図
FXhomeプランのカンタン比較表
Free | Creator | Pro | |
料金 | 無料 | $12.99/月 または $90/年 | $19.99/月 または $150/年 ※ 買い切りあり |
Imerge(画像編集ソフト) | ✕ | ✓ | ✓ |
最大解像度 | HD | 4K(UHD) | 8K |
基本的な編集ツールとエフェクト | ✓ | ✓ | ✓ |
高度なエフェクト | ✕ | ✓ | ✓ |
3Dモデルのインポートとレンダリング | ✕ | ✕ | ✓ |
Mocha HitFilm | ✕ | ✕ | ✓ |
BorisFX 3D Objects | ✕ | ✕ | ✓ |
Foundry 3D Camera Tracker | ✕ | ✕ | ✓ |
OpenEXR と FBX のエクスポート | ✕ | ✕ | ✓ |
OpenFXプラグインのサポート | ✕ | ✕ | ✓ |
プレミアムサポート | ✕ | ✓ | ✓ |
音楽(Artlist) | 10曲 | 100曲 | 200曲 |
効果音(Artlist) | 25音 | 100音 | 200音 |
テンプレート(Motion Array) | 5点 | 25点 | 50点 |
各プランの違いを詳しく解説
料金
サブスク(月払い) | サブスク(年払い) | 買い切り | |
Free | – | – | – |
Creator | $12.99/月 | $90/年 | – |
Pro | $19.99/月 | $150/年 | $349 |
サブスクリプションの場合は、「月払い」または「年払い」から選択できます。
長期で使う予定があるなら「年払い」の方が断然お得。
HitFilm の買い切りは「Pro」のみが対象です。
買い切りは一見お得に思えますが、注意が必要です。その理由は、ソフトの更新とサポートが12か月間となっているからです。
つまり、買い切りとはいえ、いつか使えなくなりますし、更新ができなくなれば「他の競合ソフトを使う方がよっぽどいい」という状態となってしまいます。
HitFilmを使うなら、サブスク型のプランを選択することをおすすめします。
Imerge(画像編集ソフト)
Free | ✕ |
Creator | ✓ |
Pro | ✓ |
Imerge は、Photoshop と Lightroom の良いとこ取りをしたような画像編集ソフトで、かなり実用性が高いです。
今のところ、あんまり注目はされていませんが、2018年のリリースから年々便利な機能が追加されていて、これから人気が高まることが予想されるソフトです。
レイヤー情報を残したまま「HitFilm」に書き出したりできるなど、「Imergeならではの機能」も搭載されています。
HitFilmユーザーにとっては、”Adobe税”を回避する一翼を担ってくれる存在となりえます。
Imerge Pro にも、買い切り型プラン($199)がありますが、HitFilm と同じく、アップデートとサポートが12か月間しかないのでおすすめしません。
サブスク型の「Creator」か「Pro」を選んで、HitFilm と一緒に使う方が、長期的にはお得です。
最大解像度
最大解像度 | |
Free | HD |
Creator | 4K(UHD) |
Pro | 8K |
”最大”と表現しましたが、これは「ウォーターマークなしで書き出しできる最大の解像度」という意味です。
ですので、Free であっても4K動画の編集はできますが、それを書き出してしまうとウォーターマークが表示されてしまい、使い物になりません。
ただ、YouTube や SNS 用に使うのであれば、ほとんどの場合「HD」で十分ではないでしょうか。
映像の美しさにこだわる場合や、大きなテレビで観る前提なら「4K」がベターです。
「8K」は必要な場面はめったにないですし、最強スペックのPCでも編集が大変そうです。
基本的な編集ツールとエフェクト
Free | ✓ |
Creator | ✓ |
Pro | ✓ |
Freeプランであっても、基本的な編集ツールはそろっています。例えば以下のようなもの。
- テキスト(テロップ)の挿入
- クリップ(動画や画像)のカット
- クリップの大きさや位置の変更
- クリップの透明度の変更
- カラー調整(ホワイトバランスや明るさなど)
- オーディオの音量調節や速度の変更
- キーフレームアニメーション
- 複数レイヤーの追加
さらに、以下のような「無料で使えるエフェクト」も複数あります。
- モザイク(ぼかし)
- グリーンバックの透過(透明化)
- トランジション(クロスディゾルブ、プッシュ、ズームなど)
- クロップ&パン
- レターボックス
- エコー(オーディオ)
- ピッチ(オーディオ)
- 通話風音声(オーディオ)
SNS や YouTube に手軽に投稿する動画であれば HitFilm Free で十分かもしれませんね。
ほとんどの無料の動画編集ソフトは、ここまで自由に使えません。(DaVinci Resolve は例外ですが)
キーボードショートカットのカスタマイズが可能
無料版であっても、キーボードショートカットは自由にカスタマイズできます。
自分にあった方法で効率的に編集が可能です。
高度なエフェクト
各プランのエフェクトの数は以下の通りです。
エフェクト数 | |
Free | 127 |
Creator | 186 |
Pro | 322 |
無料版でも使えるエフェクトは100以上あるのですが、「Creator」と「Pro」プランだとより多くの、そして高度なエフェクトが使えます。
Creatorで使えるようになるエフェクト(一部抜粋)
【映像クリーンアップ】
- ノイズ除去(ディノイズ)
- グレイン除去
- ローリングシャッターの修正
- ワイヤー除去
他の動画編集ソフト対応のノイズ除去系プラグインは、15,000円以上で販売されていたりするので、この格安プランに含まれているのは、かなりお得です。
【アニメーション(ビヘイビア)】
- フェード
- フォロー
- ズームイン&アウト
【オーディオ】
- ノイズリダクション
- コンプレッサー
- イコライザー
【カラーグレーディング】
- LUT
- シャドー&ハイライト
- バイブランス
【ジェネレーター】
- オーディオスペクトラム
- オーディオの波形
- レーザーアニメーション
- クローン
- ピクチャーインピクチャー(PiP)
- 縦型動画
【パーティクル&シミュレーション】
- ファイア(火)
- 血のスプレー
- 粉砕
Proで使えるようになるエフェクト(一部抜粋)
【映像クリーンアップ】
- 自動スタビライザー(手ぶれ補正)
【アニメーション(ビヘイビア)】
- モーショントラック(動きの追跡)
- ドロップ(落下)
- 1文字ごとのドロップ(テキスト用)
- シネマスタイル(テキスト用)
- ダウンインサート(テキスト用)
- プッシュイン・アウト(テキスト用)
【カラーコレクション】
- プロ肌レタッチ
- ディヘイズ(かすみの除去)
- カラーコレクションホイール
- YUVカラーコレクション
【カラーグレーディング】
- シネマスタイル(ハリウッド風ルック)
- クラシック シネマスタイル
- ブリーチ バイパス
- カラーバイブランス
- デュオトーン
【ジェネレーター】
- エレクトロ(電子回路)
- コスモ(宇宙)
- ハイパードライブ(星を散らすように光速で移動するイメージ)
【パーティクル&シミュレーション】
- 砲火
- パーティクルシミュレーター
【トランジション】
- ライトリーク(光漏れ)
【スタイル】
- 鉛筆のスケッチ風
【360° 動画】
- 360° アニメーションレーザー
- 360° ブラー
- 360° フィッシュアイ(魚眼)コンバーター
- 上記を含む16種類の360°系エフェクト
360° 動画を編集するなら必須といっていいほど、数多くのエフェクトが用意されています。
ですので、360° 動画を編集したいなら「Pro」がおすすめです。
3Dモデルのインポートとレンダリング
Free | ✕ |
Creator | ✕ |
Pro | ✓ |
3Dモデル(車、人、動物、テクスチャなど)を動画に取り込むなら「Pro」プランが必須です。
Free または Creator だとウォーターマークが入ってしまいます。
Mocha HitFilm
Free | ✕ |
Creator | ✕ |
Pro | ✓ |
Mochaは、映像系のプラグイン制作で有名な企業「Boris FX」のプラナー(平面)トラッキングツールです。
FXhomeとパートナーシップを結んでいて、「Mocha HitFilm」はFXhome独自のバージョンとなっています。(Mocha には他のバージョンもあります)
FXhomeのProユーザーであれば、「Mocha HitFilm」を追加料金なし&制限なしで使用可能。
実際に使っている様子を以下の動画で確認できます。
Foundry 3D Camera Tracker
Free | ✕ |
Creator | ✕ |
Pro | ✓ |
「Foundry 3D Camera Tracker」も Mocha HitFilm のようにサードパーティ(他社)のトラッキングツールです。
こちらは、「平面」のトラッキングではなく、トラッキングするポイントを複数見つけて、それらがクリップを通して、お互いにどのような位置関係にあるのかを計算し、動きを追尾します。
使用例は以下の動画で見られます。
プレミアムサポート
Free | ✕ |
Creator | ✓ |
Pro | ✓ |
公式サイトを確認してもプレミアムサポートの説明がなかったので、「プレミアムサポートって普通のサポートと何が違うの?」と FXhome のスタッフさんに質問してみました。
すると、以下の回答を得られました。
一般的に、Creator や Pro のお客様には、より多くの時間を割き、問題点を深く掘り下げ、「このエフェクトを得るにはどうしたらいいか」といったカスタム回答を提供いたします。
わからないことがあれば即質問して、素早く解決したい方にはありがたいサービスですね。
Artlist 音楽&効果音
FXhome は、Artlist(音楽素材・効果音を提供している企業)の子会社であることから、Artlist の音楽と効果音が一部利用できます。
以下のようにプランによって、利用できる数が異なります。
音楽 | 効果音 | |
Free | 10曲 | 25音 |
Creator | 100曲 | 100音 |
Pro | 200曲 | 200音 |
これらが利用できるのはありがたいことですが、既に Artlist を使っている人からすれば、なんのメリットもありませんね。
Motion Array テンプレート
動画関連の素材(テンプレート、映像など)を提供している「Motion Array」も、Artlist関連企業であることから、Motion Array のテンプレートも一部、FXhome のプランに含まれています。
テンプレート数 | |
Free | 5 |
Creator | 25 |
Pro | 50 |
これもありがたいですが、「おまけ」程度の数ですし、既に Motion Array や他のテンプレートサイトを利用しているなら別になくてもいいですよね。
どのプランを選ぶべき?
ここまで書いた内容のおさらいの意味も込めて、どのプランを選ぶべきかをまとめてみました。
「Free」はこんな人におすすめ
- とにかく無料がいい
- YouTube や SNS に投稿する簡単な動画制作で十分
- 4K動画が必要ない(HD動画で十分)
- 画像編集ソフトは他のものを使っていて Imerge は必要ない
「Creator」はこんな人におすすめ
- 4K動画が必要
- Imerge を使って写真・画像編集をしたい
- ノイズ除去やコンプレッサーなど、動画編集でよく使うツール(エフェクト)がほしい
- 解説系・実況系の動画をよく作っていて「ピクチャーインピクチャー」が必要
- 音楽系の動画をよく作っていて「オーディオスペクトラム」を表示したい
- 「LUT」を使ってシネマティックな仕上がりにしたい
- 聞きたいことがいっぱいあるから「プレミアムサポート」が必要
「Pro」はこんな人におすすめ
- VFX制作を本格的にしたい
- 「Mocha HitFilm」や 「Foundry 3D Camera Tracker」などのトラッキングツールがほしい
- 360°動画の編集をしたい
- 3Dモデルを動画で使用したい
- カラーコレクションとカラーグレーディングはこだわりを持って編集したい
- 自動スタビライザー(手ぶれ補正)がほしい
- 8K動画の編集をしたい
こうやって見ると、「Pro」はやはり「プロ向け」という感じですね。
Enterpriseについて
FXhome には「Enterprise」というプランも用意されていますが、このプランは主に企業向けの「カスタマイズ可能なプラン」です。
例えば、「編集チームみんなで FXhome Pro を使いたいから、料金をこうしてほしい」といったようなリクエストができます。
Enterprise の料金は「要相談」のため、FXhome に問い合わせる必要があります。
最後に
HitFilm Free でも使える機能が多く、初めて知った時は感激しました。「本当にこれ、無料でいいの?」と。
さらに、HitFilm Pro の機能を使ってみると、「もっとこれで動画編集したい!」という、最初の時と違ったワクワク感を得られました。
他の定番の動画編集ソフト(Premiere Pro や DaVinci Resolve など)と比較すると、まだ足りない機能、劣っている点はいくつもありますが、ポテンシャルはかなり高め。
これからどんなソフトに進化していくのか楽しみです。
無料版であっても、有料版で利用可能なエフェクトはウォーターマーク入りで試すことができます。
もしまだ HitFilm をダウンロードしていないなら、無料版から使ってみることをおすすめします。